ニュートン式 超図解 最強に面白い! ! 素粒子

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★あらすじ

「素粒子」とはそれ以上分解できない、あらゆるものの構成要素のこと。原子は「原子核」と、その周りを回っている「電子」からできていることがわかった。この「電子」こそが素粒子だと考えられている。

では、原子核はと言うと、原子核は「陽子」と「中性子」からできている。さらにその「陽子」、「中性子」も、三つの「クォーク」からできていることがわかった。「クォーク」には二種類あり、「陽子」は「アップクォーク」が二個、「ダウンクォーク」が一個からできていて、「中性子」は「アップクォーク」が一個、「ダウンクォーク」が二個で構成されている。
原子の大きさは1mmの1/1000万程度。その原子を地球の大きさと考えると、「電子」や「クォーク」は野球のボールよりも小さい。

そんな素粒子は「加速器」と呼ばれる実験装置を使って観測・発見された。加速器は、電子や陽子などの電荷を帯びた粒子を電磁力によって加速し、衝突させるのだ。すると、粒子は砕けるのではなく、様々な”他の種類”の粒子になって飛び出してくる。これら飛び出してきた粒子を観測する。

そんな実験によって、クォークは他にも種類があることがわかり、さらに電子にもその”仲間”の素粒子があることがわかった。現在、下の表の通り、十二種類となっている。

クォークの仲間アップクォークチャームクォークトップクォーク
ダウンクォークストレンジクォークボトムクォーク
電子の仲間電子ニュートリノミューニュートリノタウニュートリノ
電子ミューオンタウ粒子

さらに、”力を伝える”のもまた別の素粒子によるものだと考えられるようになった。おなじみの電磁気力は光子を”交換”することによって引力や斥力が生まれる。原子核で陽子と中性子がくっついているのもまた別の力「強い力」による。現在、下記の4つの力に対応する素粒子があることが実験で示されたり、理論で予言されている。

電磁気力光子
弱い力ウィークボソン
強い力グルーオン
重力重力子(未発見)

★基本データ&目次

監修村山斉
発行元ニュートンプレス
発行年2022
ISBN9784315525458
  • イントロダクション
  • 1.物質を形づくる素粒子
  • 2.力を伝える素粒子
  • 3.ヒッグス粒子から超対称性粒子へ

★ 感想

上記の「あらすじ」の章では、ほとんど説明無しに素粒子の名前を列挙しただけになってしまった。実際、本書でもそれほど”詳しい”説明がなされているわけではない。もっとも、何をどう説明されれば納得できるのかが問題かもしれない。ものを構成する要素を見つけようと探っていくと、上記の「素粒子」に行き着いた、ということ以上の説明は難しいだろう。「なぜ、クォークは六種類なのか?」と問うことに意味があるかどうか、だ。我々の世界がそうなっているから、以外に答えはないだろう。まさか、神様がそう決めたと急に言い出すわけにも行かない。

さらに、「力は素粒子が(力を伝える別の)素粒子を交換することによって生まれる」と言われても、全くイメージが付かない。何かを”投げた”ら、投げた方も受け取った方も反動で互いに遠ざかる気がしてしまう。それなのに、引きつけあうというのだから。”日常感覚”とのギャップが大きすぎる。
だが、これらのことはちゃんと実験で実証されている事実なのだから、受け入れざるを得ない。日常の常識、いや、論理構造も超えて物事を考えねば理解できないというのは非常に難しいことだ。頭を柔軟にと言うか、ドロドロに溶かして再構成するくらいのことが必要そう。

ではあるものの、「物質(もの)は何からできているのか?」という疑問は数千年の歴史がある問いだろう。単純な好奇心でもあり、それを理解することによって何かを生み出せるという”役に立つ”ことでもある。本書はそんな問いに対する”答え”の最初の一歩を示してくれている。物理の専門書になると、どうしても数学を理解していないとダメだが、本書に数式は出てこない。その意味でも最初に読むのに良い一冊だろう。

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