★ 読書メモ
普通に本を読んでいる時、「ここは注目だ」、「これがキモだな」、「この箇所は覚えておこう」なんて思う時があるでしょう。すごい記憶力の持ち主ならばすべてを頭の中に詰め込めるのでしょうが、凡人には無理。メモしておくことがどうしても必要になります。
Kindleで電子書籍を読んでいる場合、メモを記入する機能を使って電子データとしてとっておくことができますね。パソコンやスマートフォンのメモ帳機能やEvernoteなどのアプリを使っている人もいるでしょう。でも、ペンと紙を使ってメモするのも悪くないと私は思います。ただの記録であれば電子的にとって置く方があとから使い勝手はいいでしょう。でも、普段の読書ノートではそこまで後から振り返る、いや掘り起こして再度その知識を使うことは少ないでしょう。それよりは、気の利いたセリフやちょっとしたアイデアを覚えたい、という気持ちの方が強いかな、と。その場合は メモを録る == 記憶する(頭に刷り込む)ということ。そのためには紙に手で書いた方が頭に残りやすいと感じています。
「記憶(刷り込み)の助けになると共に、もちろんあとから見返すこともできる読書メモの方法」と言う訳で、普段の読書のための読書メモにはアナログな方式が向いている、という提案です。
★ 京大式情報カードについて
紙にメモする、と言っても、これまた手段は色々。読書ノートを作ったり、ポストイットにメモしては本のページに貼り付けたり、やり方は様々。記憶することを助けるだけならば方法は何でもいいでしょう。
これから読書メモを始めてみようという方におすすめなのが「京大式情報カード」を使う方法。 あとから見返すのに適しています。 なんと言っても、ライフハッキング本の元祖と言ってもいいほどの名著である、梅棹忠夫著「知的生産の技術」で紹介されているのがこの京大式情報カードなのです。それほど歴史のある方法なので、取りあえずやってみるならばまずはこれ、と言うこと。
ちなみに、本の方が先にあって、そこで紹介されていた情報カードが後に“京大式”と呼ばれるようになったのですが。
この本は1967年に刊行されたもので、当然ながらスマートフォンやパソコンの存在しなかった時代です。今ならば、ある程度適当に情報を入力してもGoogleの検索機能でそれなりに呼び出してきて再利用が可能。でも、紙に書くメモはきちんと考えて工夫した書き方をしないと、あとから見返したり、検索する(カードが一杯入った箱から探し出す)ことが難しくなってしまいます。そんなことがないようにするためのテクニックがこの本で紹介されているのです。そして、そのノウハウを形にしたのが京大式情報カードです。
実物の京大式情報カードはこんなやつ。大きさはB6サイズです。一枚ずつ扱われるので、ノートのようなペラペラではなく、厚紙でできています。見出しや本文を書くパートに罫線で区切られています。罫線の幅がずいぶんと広いのが特徴ですかね。
ルーズリーフ等と違って、穴が開いている訳ではないので、リング式バインダーでまとめておくことができません。逆に一枚ずつ取りだして使われることも多いので、“バラバラ”であることも重要です。そのため、カードボックスや引き出しに入れておくのが通常の仕舞い方。古い図書館で、細長い引き出しに文献カードがずらっと並んで入れられているのを見たことがあるでしょうか。あんな感じです。
白紙のカードの携帯の仕方としては、下記のようなバインダーに入れておくのがおすすめです。ボックスタイプでももちろんOKですが、メモをしたい時にパッと取り出せるようになっていることが肝心。
私が使っているのは【etranger di costarica/エトランジェ・ディ・コスタリカ】B6サイズ マルチノートカバーです。本来はB6サイズのノートのカバーです。附属の輪ゴムで閉じておくことができ、なによりも軽いので携帯に便利。
私の場合、以前は「ポストイットに書いて、本の該当ページに貼り付ける」パターンでした。でも、これだと電子書籍の場合は別の方法になり、やり方が不統一でした。そのため、この情報カード式に落ち着いています。いや、ポストイット方式のさらに前はこれだったから、戻ってきた感じかな。
★ 読書メモ おすすめの書式
さて、実際の読書メモの書式の説明です。
「知的生産の技術」 で使い方が紹介されていて、 ノウハウを形にしたのが京大式情報カード と書きましたが、それはちょっと誇張した表現でした。ごめんなさい。実は、“生”の京大式情報カードは罫線が引っ張ってあるだけの、ほぼ白紙の状態なのです。何を書き込むかは自由です。なので、読書メモとして使う場合も、これまた“お好きなように”が基本です。そして、 「知的生産の技術」 では、そこに書き込むべき項目に関して説明がされているのです。
と言うことで、決められた書式を真似するもいいですし、自分で好きなようにルールを定めて書き込んでもいい訳です。参考例として私の場合を紹介しますので、これを真似るも良し、自分の都合に合わせて変えるも良し、好きに使ってみてください。
一枚目が、タイトルや著者名などの、読んだ本の情報。二枚目以降が“メモ”になります。詳細は下記の表の通り。
1枚目
ID(通し番号) | 文献ごとのID |
文献内番号 | 一枚目は01 |
書名 | 書籍の名称。訳本の場合は原題も併記 |
著者名・訳者名 | 訳本の場合は訳者名も併記 |
出版地 | 出版された都市の名前。通常、出版社のある場所 |
出版元 | 出版社名 プライベート出版の場合は個人名 |
出版年 | 新装版は新しくなった年。 初版年も可能ならば併記 |
ページ数 | ページ数が振られている場合、最後のページの番号 |
版数 | 初版なのか、改版なのか、その版数 |
シリーズ名・巻数 | シリーズものの場合 |
2枚目
ID(通し番号) | 文献ごとのID |
文献内番号 | 02-99 |
該当ページ | 引用・メモをしたページ |
引用・メモ | 一件一葉で |
「ID(通し番号)」を共通にして、同じ書籍・文献であることを表します。そして「文献内番号」で整理。「書名」を共通項目として全カードに書いた方が見やすいかも知れませんが、長いタイトルだと書くのが面倒。ここは“ID”にしておいた方が楽です。
実際のカードのイメージです。こちらは一枚目(書籍情報)。
こちらは二枚目以降のイメージ。
という感じです。二枚目からは、IDさえ間違わずに書いておけば“迷子”になることはありません。あとはメモなので好きに書いていって良いと思います。良さそうだなと思った箇所を引用して書き留めておいたり、思った感想を書いたり。一応、メモを録ろうと思ったページ番号も上記の通り、書いておくと、あとから見返す時に便利です。もちろん、作品全体に渡る感想やメモであれば、ページ記入は不要でしょう。よければ参考にしてみてください。
なお、もっと真面目に取り組みたい人は「図書館情報学を学ぶ人のために」や「学校図書館のための図書の分類法」などの専門書が参考になるかも知れません。
「コレクト 情報カード B6 京大式 C-602」はAmazonなどで購入可能です。
その他に、こんな道具もありますよ。
参考図書はこちら。
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